クラッチペダルよ戻ってこい!993編 (porsche993) 患者のカルテ年式1994年~モデル 993症状 クラッチペダルレバー交換修理内容 2016年 10月 24日 初期型993のMTでよく聞く症状です。クラチペダルを踏んだ後、戻ってくる途中で止まってしまうってやつです。数センチ遊びの分だけ奥に入った感じで止まりますね。引っかかると言うより帰ってくる気が無いかのような・・・・。 クラッチペダルが完全に戻ってこない症状の話よく聞きます。数センチだけなんですが、遊びの分が無くなるので、気持ち悪い踏み代になるんです。つま先で引っ掛けて戻せば、パッコンと戻ります。993の初期型によく見られますね。 実はこの画像は964なんですが、内容はほぼ同じなので気にしないで進みましょう。足元奥のペダルassyはこんな感じで外れます。狭くて暗い場所なので作業性はよくないですね。 問題のレバーはここに付いてます。画像に見える複雑な機構のほとんどのパーツはクラッチ関係です。ペダルの重さを加減するためにヘルパースプリングが付いてます。 戻りが悪い原因はこのレバーなんですね。上の黒いレバーが後期型と言うのでしょうか、パーツNoが変わってて、下2桁が00から03になってるんです順番では01,02もあるので頻繁に改良されたようで、現在供給されるのは03です。96年モデルでも02もありました。03番が付いてたら交換不要。 重ねて見ると穴の位置がずれてるので、レバー比やストロークを変えてるようですね。やはり初期モデルには問題あったのでしょう。 レバー交換にはペダルシャフトを少し抜く必要あります。画像は上が964、下が993。先端のタイプが違うので、もし964を993仕様に変更しようとしたら、ペダルやガイドなど多数のパーツ交換が必要になります。でもフィーリングが良くなります。 これは964との比較画像です。上が964。固定方法が違うのでレバーだけなら互換性無しです964編はこちら↓http://www.frosch911.jp/2010/02/-porsche964-47.html レバー交換時にヘルパースプリングの作用を阻止するためにサービスホールに適当なボルトを差し込んで作業性を良くしておくのが秘訣かな。 その他の構成パーツもチェックしましょう。かなり力がかかるところでもあり、シャフト穴などが磨耗してたら交換しないと、そこで遊びが生じて、レバー交換の効果も薄れます。 注意点は、今回のペダルの戻り不良に他の原因がある可能性もあるので、クラッチ関係すべてのチェックして、問題が無いのが前提です。マスターシリンダー、レリーズシリンダー、エア噛み、クラッチ内部などね。