実は左右独立ヒーターです (porsche964) 患者のカルテ年式1989年モデル 964carrera 4症状 助手席側ヒーター効き悪い修理内容 右温度センサー交換 2010年 9月 28日 964から装備されたエアコンディショナー。通称エアコン。930まではクーラーと言っていいでしょうが、964以降はエアをミックスして設定温度になるようにコンピューター制御されてます。ところが助手席側ヒーターのみ明らかに温度差が大きく、設定温度に対して正常でない温度の風が出る現象が出てます。 964のヒーターは左右独立して温風を送るようになってます。どちらか片方だけ温風が出たり、出なかったりの症状で温度フラップモーターが動いて無いという事例はありました。今回はそれとはちょっと違うようです。 設定温度に対して助手席の温風温度が明らかに運転席と違う感じのこのクルマ。とりあえずフラップモーターの作動確認です。コントローラーの温度設定を18℃~30℃まで上げたり下げたりすると、フラップモーターが動き、フラップを開閉させてるのがわかります。動けばまずモーターに問題はありません。ところがこのクルマの場合、動いているものの作動に左右差があり、最高温度にしても助手席側が全開になってませんね。 パッとひらめいた。野生のカンです。これは左右のフラップの開度を制御してるコンピューターに入力されてる温度に左右差があるからだ!そうなんです。964以降のヒーターでは運転席助手席側がそれぞれ温度モニターされてて独立制御されてるんです。なんて賢いいんでしょう。 と言うことで左右のチャンバー(エアコンユニット)にそれぞれついてる温度センサーを点検します。これは室内に送るための空気温度をモニターしてます。ここに刺さってるんですが配線はハーネス一体でコネクターは存在しません。とりあえずセンサーの抵抗値を点検するには・・・・・ センサーはハーネス一体で繋がってるので、コネクター部で抵抗値を点検するには室内のコントロールユニット裏からチェックする必要があります。 コネクター抜いて配線図とにらめっこして、該当する線間の抵抗をみればいいんですね。 まず正常作動と思われる運転席側の温度センサーの抵抗値を見ました。約16,3Ω 次に助手席側は・・・・・・約4,3Ω。。左右差ありすぎ。この数値は時々何らかの拍子に16Ωぐらいを指したりします(IGをon,offしたりすると) この数値表からすると、運転席は15度ぐらい?助手席は40度?ぐらいと判断してる数値になってるよね?だとしたらいくら室温30度に設定してもコンピューターは「助手席は40度もあるんだからヒーター効かす必要ないじゃん」ってフラップモーターを動かす気がないと言うわけです。 ということで、おバカな温度センサーを引っこ抜いて、コネクターになってない配線ちょん切りました。新品を注文しても良かったのですが、たまたま中古部品があったのでそれに交換してOKです。 センサーがどうなってるのかと分解。チャンバーの奥に届くように長いガイドになった形状で、先っちょに温度センサー付いてます。こんなのが29,000円也だって。 なんだこりゃ?配線の先にハンダで蟻のようなセンサーがポチッと。消えかけの線香花火みたい・・・・。ちなみに壊れることで有名な温度フラップモーターは生産中止のため新品パーツが入手できません。世界的に困っちゃうことになってます。keep9では分解修理&中古パーツの再生利用などでできるだけのことはやってます。今回のモーター作動不良は、モーター本体の不良では無く温度センサーの不調です。お間違えの無いように!END