オイル行き止まり 装置 (porsche964) 患者のカルテ年式1990年モデル 964carrera症状 油温上昇 修理内容 サーモスタット交換 2010年 6月 4日 ただでさえ暑い夏、ぬく~い空気で必死で冷やす空冷エンジン。そしてオイルの冷却は生命線ですよね。ところが問題発生です。いつもより油温が上昇し、油温計もみるみる上がってしまいます。どこの装置の故障でしょうか? 油温計の指示がおかしい・・・。普通は水平位置付近を指してるのに、今日は上のライン(黄色で示したライン)を超える勢いで上がってきます。どこか壊れたのかな? 911は右フロントフェンダー内にオイルクーラーを備えます。ですからオイル温度が上がってオイルクーラーに循環し出すとフェンダーが熱くなりオイルが流れてると判断できます。オイルクーラーの電動ファンの作動不良でも油温は上昇しますが、今回はフェンダーがちべたい(冷たい)んです。オイルが回ってませんな。 じゃあオイルクーラーにオイルを来ないようにしてる装置はどれだ?ってことですが、右サイドカバーの中に通ってるオイルパイプの途中にサーモスタットが付いてます。オイル温度が約80℃を越えるまでは開かずオイル温度が早く上がるように助けますが、温度が上がるとオイルクーラーへの回路を開きます。室内でも右サイドを流れるオイルのじょんじょろりん音が聞こえますよね。 分解する前に綺麗に洗って、砂なオイル汚れが整備中に混入しないように予防しましょう 通常はこのオイルタンク下のサーモスタットハウジング内でオイルはUターンしてエンジンに帰りますが、開くとオイルクーラーに流れて行ってくれます。この右側のパイプが熱くない(暖気後も)と流れていない証拠です。 交換は比較的簡単です。サイドのスカートを外す必要はあるので手間はかかりますけどね。 キャップを固定してるCリングを外して、 キャップを外せば出てきます。周辺が汚れてると抜け難いので掃除して綺麗にしてからがいいでしょう。 ヌっと出てくるサーモスタット。 スプリングと本体とOリング交換です。 新品を入れましょう。サーモスタットの中身は熱で膨張するグリスが封入されてるんですが、漏れてしまうと動かなくなるんですよね。まさに「オイル行き止まり装置」とはこのことです。 新品のOリングを入れてオイル漏れを防ぎます。 最後に暖気してオイルが循環するか、オイル漏れは無いか確認しましょう。こうでないと暑い夏は乗り切れませんよ!