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煙幕不要 ボンドカーじゃないんだから  (porsche996)

患者のカルテ
年式 1999年
モデル  996 carrera
症状  突然白煙大
修理内容  エア・オイルセパレーター交換

 

2015年 1月 23日

 

まずは 動画を見てください。

 


ものすごい白煙を噴いてます。 場内真っ白け・・・・

突然、信号待ちの後の発進後に噴出して、辺りが騒然となったとのこと。

オーナーさんは、もうエンジン終わったと思ったみたいです。

こんなのは敵から逃げる時の煙幕にしか役立ちません・・・・・・・・

 

 

  

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点検してみると、案外アイドリングしてるし、異音もしてません。

若干ラフアイドルなぐらいで、エンジン本体の異常ではないのでは?と診断。

匂いや青白い色からするとエンジンオイルが焼けてると思われます。

オイル量も少し減ってるようですし。

 

 

 

 

                    P1058494.jpg


じゃあ何が原因で白煙がでるのか。

エンジンオイルを吸い込んで、一緒に燃えてしまってるのでは?と考えました。
 

996ではブローバイガスをスロットルの下流に戻してます (印のところ↑ )

ブローバイガスとは、エンジン内部から発生するガスで、

大気開放せずに吸気に吸わせて戻してます。
 

ちなみに、よく「オイルキャッチタンク」なんて呼ばれるタンクを付ける話を聞きますね?

それは、ブローバイガスを別タンクに導いてるだけで、そこに油分が溜まる構造です。


この配管に蓋をして吸わない様にして走ると、

白煙は少なくなって、ほぼ出なくなりました。

なので、ここにブローバイガスを送ってくるまでの装置を修理せねばなりません。

 

 

 


 

 

                    

P1058492.jpg


簡単に修理するといっても大変です。

その装置は、エンジン上部、左奥の奥、見えもしない箇所にあるからです。

普通はエンジン降ろして交換したほうがいいんじゃ?とさえ思っちゃいます。

でもまっちゃん頑張りました。

 

 

                    

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これがそのパーツ。

その名も エア・オイルセパレーター 通称 AOS 

気化したガスをここで油分とエアとに分離して、オイルはクランクケースに

エアはインマニに戻すのが役目です。

これが悪くなって、オイルがそのままエンジン吸気として

吸われてしまったので、大量の白煙を噴いたと思われます。

 

 

 

 

 

                    

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エア・オイルセパレーターを探せ!

左のインマニを外して、その他もろもろ邪魔な物をはずして、

上から、下から悪戦苦闘しながらの交換です。

かなりやりにくいので根性すえて取りかかる事をお勧めします。

 

 

 

 

 

                    

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やっと見えてますが、取り付けが面倒な付き方してます。

絶対壊れないし、交換する必要も無いのが前提で付いてるとしか思えませんでしたね。

 

 

 

 

                    

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このセパレーターには冷却水が導かれてます。

緑色の水がにじみ出てるのを発見。

白煙噴かなくても、どのみち交換が近かったかもしれませんね。

 

 

 

 

 

                P1058527.jpg 

 


オイルセパレーターですが、から左右バンクのブローバイガスが入り、

中で分離され、油分はからクランクケースへ、 からエアが吸い出されます。

分離と言っても、中で自然に冷やされて上下に分かれる感じの単純なもの。

上部の丸い部分に冷却水の出入り口がありますね。

 

 

 

 

             

 

                P1058554.jpg 


どんな風に壊れたのかを切断分解して確認です。

 

 

            

                    

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中のダイヤフラムが破れてました。

これが破れたら、隔壁の役目が効かず、負圧の程度に合わせてのバルブ開閉が

できなくなってしまいます。

 

 

 

 

                    

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2本のスプリングやバルブなどがあり、エンジンに吸われるブローバイガス量を

制御してるようです。

膜が破れたせいで正常な動きができずに、結果として油分を大量にエンジンに

吸わせてしまったのが白煙大の原因と思われます。

 

 

 

 

 

 

                    

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ちなみに、冷却水の通路を確認しました。

丸いケースの中だけを通過してます。

高温のブローバイガスが溜まる箇所なので、冷却水との温度差を間接的に利用して

ダイヤフラムやバルブを冷やして保護する役目ではないかと考えます。

 

 

                    

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排気系に入ったオイルはなかなか焼けきってはくれません。

それでも走ってると最後には白煙は消えましたけどね。

オイルの流入量によっては排気系の中を全部洗浄する必要があるかもしれません。

 

   
   
 
おだいじに!